◆世界初のエコシップ誕生

 世界初のリチウムイオン電池を使った大型電気旅客船が大阪・八軒家浜にお目見えしました。この船は4年前から環境省の社会実験などを契機として産官学一体の「大阪電気推進船研究会」を中心に開発が進められていたもので、2012年秋に完成、大阪での試運転で成功を収めました。
 製造したのは広島県の造船会社「ツネイシクラフト&ファシリィティーズ株式会社」。
長年培ってきたアルミ船製造技術とリチウムイオン電気推進システムを組み合わせて、排出ガスゼロ、低騒音・低振動の大型船(旅客定員40名)を開発したものです。また、この船の製造には東北復興支援として岩手県より7名の研修生を招聘し技術指導しています。
 排ガスゼロ・省エネが求められる都市環境の中で、従来のエンジンに比べて、モーター駆動の電気推進船は環境にも人にも優しく、クリーンで静かな船旅を提供できます。
 充電はプラグイン方式の採用により専用充電器の要らない陸上充電が容易に行えます。1時間のフル充電で6時間以上も連続航行が可能なのも大きなメリットと言えましょう。屋根にはソーラーパネルを設置、照明機器はすべてLEDを採用しています。
 中之島周辺のエコ環境の新しい顔として、このエコシップは「あまのかわ」と名付けられ ました。(2012年12月)

紅葉の水辺をゆったりと走る「あまのかわ」
紅葉の水辺をゆったりと走る「あまのかわ」
波音が聞こえるエコシップの船出                                  (写真撮影:清水治彦)
波音が聞こえるエコシップの船出                                  (写真撮影:清水治彦)