◆道修町は薬のサイトミュージアムに

 道修町通りには、製薬業界最大手の武田薬品工業や塩野義製薬、小林製薬、ボンドのコニシ(小西儀助商店)など、医薬・化学薬品大手の本社が集中し、その他多くの薬品関連企業がこの界隈に事務所を構え、また薬の神様を祀る少彦名神社(神農さん)があります。
 その道修町に武田薬品工業や田辺三菱製薬などが相次いで資料館などを開設する予定です。武田薬品は旧本社ビルを2013年10月に改装し、国宝級の「解体新書」など14万冊の書物を所蔵する資料館を公開します。
 一方、田辺三菱製薬は2015年をめどに道修町に本社を移転するのに伴い創業当時の資料を所蔵する史料館を併設する予定です。
 また、大日本住友製薬も道修町にある本社の1階に歴史資料室の公開を検討しています。
このような民間側の動きに対し、大阪市も道修町の歴史的な町並みを維持し魅力を高めようと助成措置を講じて支援しています。最近ではコニシ(旧小西儀助商店)の旧社屋で重要文化財の「小西家住宅」の修復工事を支援しています。
 一本の道が薬の町として江戸時代からの歴史を持ち、現在までその歴史を引き継いでいるというのは全国的にも類のない事例で、既に350年の歴史を伝える「くすりの道修町資料館」もあり、また毎年11月には、まちをあげて薬の神様を祀る「神農祭(しんのうさい)」が催されています。
 資料館・展示館がさらに増えることで、道修町はいよいよ本格的な薬のサイトミュージアムになっていくのが楽しみです。(2013年2月)

武田薬品の旧本社、武田道修町ビル
武田薬品の旧本社、武田道修町ビル
薬祖神を祀る少彦名(すくなひこな)神社
薬祖神を祀る少彦名(すくなひこな)神社
ボンドのコニシ(旧小西儀助商店)の旧社屋、小西家住宅(重要文化財)                      (写真撮影:清水治彦)
ボンドのコニシ(旧小西儀助商店)の旧社屋、小西家住宅(重要文化財)                      (写真撮影:清水治彦)