OSAKAぶらこうじ見聞記   ◆門真界隈

ぶらこうじカルテ  No. R-021-1     名称:門真界隈 薫蓋樟  

場所:大阪府門真市三ツ島         ぶらこうじ指数:42 

 =御神木は国内最古最大級の天然記念物=

印象:門真市にある三島神社(みつしまじんじゃ)には「薫蓋樟(くんがいしょう)」と呼ばれる巨大な御神木の樟があります。樹齢は1000年を超え、所々樹皮が苔むしており、高さは約24m、幹回りは13m以上あり、大人が10人がかりで手を繋がないと囲えません。

国内でも特別に大きな御神木であり、見る人を圧倒するこぶが根にたくさんあります。そこから天に上るように枝分かれしている5本の枝がまるで大蛇のようです。薫蓋樟という名は、江戸時代後期の公卿・千種有文が詠んだ和歌『村雨の雨やどりせし唐土の松におとらぬ樟ぞ此のくす』から由来しており、根元にはその碑と案内文が添えられています。

この薫蓋樟は国の天然記念物に指定された他、「大阪みどりの百選」、「新日本名木百選」にも選ばれています。

秋には御祭禮がありますが、御祭神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、天照大神(あまてらすおおかみ)の3柱です。素戔嗚尊は怪物の「ヤマタノオロチ」を退治したことでも知られる厄除けの神様です。 

三島神社の建立は明確ではありませんが、約1000年近く前に遡ります。当時、滋賀からきた農民達がこの地に村を開く際、「山王権現」という日吉大社の神様をお迎えしたことが始まりとされ、山王権現と呼ばれましたが、明治3年に三島神社に改称されました。(清水.h 2023.9)

ぶらこうじカルテ  No. R-021-2       名称:門真界隈 

場所:大阪府門真市・守口市  ぶらこうじ指数:42            

  =地域の発展と偉人(松下幸之助、秀吉)=

印象:今回の踏査は、北河内の門真市・守口市である。お彼岸から一週間も経ったというのに真夏のように暑い街中を、三島神社、パナソニックミュージアム、文禄堤、難宗寺などを訪れた。

地下鉄長堀鶴見緑地線・門真南駅に集合し、まず、蓮根畑を横目に、樹齢千年といわれる巨大な樟のある三島神社向け歩き出す。「河内レンコン」は低湿地が多いこのあたりの特産品である。

パナソニックミュージアムでは、松下幸之助の偉業に改めて感服する。パナソミックは、現在、門真周辺に約47万㎡もの大規模な土地を所有しており、世界的企業の拠点であると同時に地域の発展に貢献している。もともと、北河内のこのあたりは大阪からは丑寅の方向(鬼門)であるに加えて、淀川沿いに湿地が多いため開発が遅れていた地域である。大阪市福島区大開町から門真に拠点を移すにあたり、縁起の悪い方向への移転の是非に悩んだ末に決断したとのことであるが、鬼門ゆえに区画整理でまとまった用地を確保できたと云え、幸之助は鬼門を逆手にとったとも言える。

 この地域の発展に貢献したもう一人の人物は、豊臣秀吉である。秀吉は、淀川左岸に枚方から京橋の27Kmにも及ぶ「文禄堤」と呼ばれている堤を構築した。淀川の治水と同時に、伏見・大坂城間の街道整備を目的としたものだ。それにより守口宿や枚方宿は大いに栄えることになる。伏見と大坂の地理関係は鬼門・裏鬼門の方向にあるが、秀吉が陰陽道を気にした様子はない。陰陽道と地域の発展との関係は微妙だ。(室井 2023.9

写真は文禄堤。守口市本町の700mにだけ、堤が見える形で残っている。

 順に、・文禄堤の石碑「みぎなら のざきみち」 ・堤から見た奈良みち、高低差がわかる ・文碌堤の面影を残す街並み  

ぶらこうじカルテ  No. R-021-3    名称:門真界隈    

場所:大阪府門真市    ぶらこうじ指数:42          

 =名産のレンコン畑の脇を三島神社へ=

印象: 今回は衛星都市の門真市へ足を延ばす。門真といえば、かの松下翁が「鬼門といえば、日本列島そのものがその方角にあたる」と工場進出を決断した地で、今もパナソニック社の中心拠点である。

地下鉄・鶴見緑地線の終点門真南駅に近い三島神社が最初の立ち寄りどころ。上部には第2京阪道路が通っている門真南駅を出ると、休耕田にハスの群生地を見つける。門真といえばレンコンが名産であり、付近を流れる古川の周辺に広がっていたレンコン畑の名残がうかがい知れる。駅から10分ほどにある、この地区の氏神さんである三島神社には、薫蓋樟と呼ばれる胴回り10数mといわれる楠の巨木が鎮座している。地域柄、楠公との歴史的つながりが感じとれる。

北上して、京阪本線・西三荘駅近くの松下幸之助歴史館に足を運ぶ。松下翁の生い立ちや松下電器の沿革が、時代時代を彩ってきた家電製品と一緒に展示されている。日常生活における電化のありがたみを感じるとともに、リーダーの言葉による力がいかに大切かということを改めて知ることができた。(吉田 2023.9) 

写真は順に、・門真南駅付近のハス ・三島神社前の街並み ・三島神社薫蓋樟 ・松下幸之助歴史館

ぶらこうじカルテ  No. R-021-4  名称:門真界隈     

場所:大阪府門真市     ぶらこうじ指数:42  

  =松下幸之助歴史館:ベンチャー精神を示す展示=

印象:今日は趣の異なる3ヶ所巡りである。最初に樹齢約1000年の楠の天然紀念物がある史蹟三島神社を訪れた。大正時代に新規に制定された法律(現在は改定)による天然紀念物の史蹟表示に歴史が偲ばれる。木の周りが大きく、神社境内にはいると楠全体を見ることができない。二番目のパナソニックミュージアムでは、昭和時代を過ごして来た我々の世代には懐かしい、各時代三種の神器家電製品の変遷を見ることができる。松下幸之助さんは、小さな町工場を大規模な企業に育てたベンチャー精神を持った先駆けの人であったことがよく分かる。

 三番目は文禄堤である。江戸。京都から大阪へ最後の守口宿を補強するために、秀吉が命じて造成された約30kmの淀川堤の高速道である。今ここからは、現在の淀川本流が何処を流れているかわからない。(三塩 2023.9)